朽木の森へ

梅雨の晴れ間に、久しぶりに滋賀県の朽木へでかけた。沿道のあちこちにピンクやブルーの小手毬のような紫陽花が咲いていた。大原を過ぎ、花折トンネルを抜け、安曇川の景色を楽しんでいるうちに朽木へ到着。道の駅で地元でとれたキュウリやトマト、くるみパンなどを買った。涼みがてらに、近くの麻生川に蛙石を見に行ったあと、朽木温泉てんくうへ。

平日なのでお客さんも少なく、ゆっくりと温泉気分に浸れた。浴室は岩風呂で大きなガラス越しに山の景色がよく見える。ひょうたん形の露天に出れば、森林浴もできるはなまるの温泉である。
きょうはサウナには入らず、冷たい源泉でからだを冷ましつつ、露天と内湯を行ったり来たりしながら、景色浴?を楽しんだ。
お風呂あがりに、ロビーでソフトクリームを食べていると、Tシャツ姿のおじさんが、昔なつかしいラムネを買っていた。栓の開け方がわからず、売店のお姉さんに開けてもらっていた(笑)
ふと目線があってお互いに照れ笑い(*^^*)

帰りは途中で大粒の雨がバラバラ降ってきたが、自宅に着いたときにはほとんどやんでいた。
夕食のサラダは、もちろん、きゅうりとトマト(笑)
甘味があってとてもおいしかった^^)
[ 2005/06/30 19:38 ] 未分類 | CM(0)
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  • バラ咲く庭で

     

     
    買い物帰りに咲は、いつも近くの公園に寄り道する。今日も赤い自転車のかごにスーパーの袋を入れたまま、ベンチにすわっていると、小さな手押し車にバラの花束を積んだおばあさんがやって来て、咲の隣に腰をおろした。

     やさしいバラの香りがあたりに漂う。
     おばあさんは、ふっくらした顔を咲のほうにむけた。

    「あなた、いつもここで、子どもたちが遊ぶのを見てるわね」

    「ええ、わたし、子どもがいないので…」

     結婚して3年になる咲に、子どもはいない。子どもを連れた若いママを見ると、うらやましいと思うけれど、いまのままでも咲は幸せだった。

    「そうなの。それじゃあ、かわいいお子さんに恵まれますように、はい」

     おばあさんは車からバラを一本抜いて、咲の手に持たせた。

    「あ、…」

     おばあさんはにっこりほほ笑んで立ち上がると、そのまま風のように行ってしまった。


    * * * * * * *


    5年前、咲が働いていた病院で、交通事故で入院してきた彼、松本直(すなお)に出会った。そのころまだ大学生だった彼は、咲が 検温にいくとふざけたり、冗談を言って病室のみんなを笑わせた。

     少年のように屈託のない直だったけれど、ときどき思いつめたように、沈んだ顔になるのを咲は知っていた。
     咲が準夜勤だったあの夜も、消灯後の病棟の薄暗い廊下の窓から、ひとり夜空を見上げている彼を見かけた。
     足音をしのばせて、後ろからそっと目隠しをする。

    「だあれだ」

    「その声は…。原田さん?」

    「ぴんぽーん」

    「あははは」

     しんとした病棟にふたりの笑い声が響いて、あわてて口元に人さし指をあてた咲。
     あのとき星を見ながら、直が言ったことを咲はいまも覚えている。

    「原田さん、『星の王子さま』って知ってる?」

    「サン=テグジュペリの童話?」

    「おれさ、いまあの王子さまになった気分。美しいバラの棘に傷ついた少年ってとこかな…」

    「どうしたの。いつもの元気ないゾ。だけど、松本くんって見かけによらず純粋なのね」

     からかうように言った咲に、直はまともな顔で返した。

    「けど、純粋さの持つ脆さを知らないと、とり返しがつかなくなる…」

    「え?」

    「おれ、失恋したんだ…。つきあってた彼女にほかに好きなやつがいた。それで酔っぱらってバイクを暴走させた。その結果がこれさ」

     おどけるように笑って直は白い壁を松葉杖でコツコツとたたいた。
     
     咲は黙っていた。

     たった一本のバラのために、毒蛇に身をゆだねた王子さまのことを思う。
     それほどまでに大切なものが、咲にはなかった。

     純粋さの持つ脆さか…。

     咲は年下の直のまっすぐな若さがまぶしかった。
     心のなかで19歳のときの自分と重ねていた。白衣の天使目指して輝いていたあのころが、すっかり遠い日のことのように思えた。

     咲は疲れていた。

     憧れていたナースの仕事は想像していたよりも厳しかった。どんなに頑張ってみても、決められた仕事をこなすのが精いっぱいで、患者さんの心まで気遣うゆとりはなかった。

     すがるような目で咲の手を握りしめ、なにかを訴えようとする患者さんがいる。
     そばにいてあげたいと思う。だけど時間がない。

    「ごめんなさい。あとでね…」

     そう答えるたびに、咲の心は嵐のなかの木の葉のように揺れ動いた。
     少しずつ咲のなかで壊れていくものがあった。だけど、もっと強くならなければと、咲は思うのだ。

     咲をじっと見つめる直の視線に気づいた咲は、明るい声で言った。

    「気にしない。気にしない。バラは一本だけじゃないわよ。元気だして」

    * * * * 

     その晩、夢を見た。
     金色に輝く髪をした小さな男の子。薄緑色の宇宙服みたいなものを着て、首には金色のマフラーを巻いている。

     どこなんだろう…。

     咲の立っているところから見えるものは、風にゆれる野の花と、男の子の膝ぐらいまでしかない火山だけ。
     ぐるり見まわすと360度、地平線のむこうに、無数の星がきらめいていた。
     咲がきょろきょろしていると、男の子が話しかけてきた。

    「ねえ、ぼくの大切なバラを知らない?」

     大切なバラって…。もしかしてこの子は…。
     咲は少女のように胸がときめいた。

    「あなた…もしかして星の王子さまじゃ…」

     男の子は鈴をふるように笑った。

    「咲。ぼくだよ」

    「?」

     男の子をじっと見ていた咲は、目をまるくした。

    「松本くん…?」

     小さな宇宙のような男の子の瞳は、あの松本直にそっくりだった。

    * * * *


     次の朝、病棟の廊下で直とすれ違った。

    「きのう原田さんの夢見たよ」

     どきんとした。

    「へんな夢じゃないでしょうね」

     いたずらっぽくにらんだ咲に、直は意味ありげにウィンクした。

    「退院するときに話すよ」

     3カ月がたって、ギブスのとれた右足をかばいながら、直は退院していった。
     玄関まで見送りに出た咲に、直は夢の話をした。
     彼の見た夢は咲の夢と同じだった。

     直は、はっきりとした声で咲に言った。

    「おれはきみに会うためにここに来たのかもしれない。人生に偶然はないって言うだろ」

     それがきっかけで直とつきあうようになり、直の就職が決まった年に結婚することになった。
     仕事は思いきってやめることにした。

     さんざん迷っていたときに、直にそのことを話したことがある。

    「ほんとは続けていく自信がないの。厳しい現実にめげずにちゃんとやってる人もいるのに、わたしったらだめね。もっと強くならなければ…」

     しばらく考えてから直が言った。

    「弱くたっていいさ。がんばって強くなろうなんて思うなよ。っていうか、だれにとっても正しい生き方なんてないんじゃないのかな。咲も自分に合った生き方を選びなよ」

     直の言葉に咲の迷いは消えた。
     はじめての背広姿に照れ笑いを浮かべる直が、なんだか頼もしく見えた。
    「直は変わった」と咲は思う。

     あぶなっかしいだけの純粋さが昇華されたみたいに、いまの彼にはしなやかな強さがある。自分の弱さを受け入れることは、もうひとつの強さなのかもしれない。

     それはありのままの自分を愛すること…。

     そしていま。咲は直とのささやかな暮らしを大切に思う。
     これからも、ふたりの庭に咲いたバラを、雨が降っても風が吹いても守っていくつもり。

     来年の春、小さなバラがもう一本ふえる予定だ。

     そのことを直はまだ知らない…。
    [ 2005/06/29 13:10 ] メルヘン | CM(0)
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  • ありがとういろいろ

      ありなんごどし(青森)
     
      かんぼ(秋田)

      ありがどがんす(岩手)

      もっけだの(山形)

      わりーっけね(静岡)

      あんとー(長野)

      ごっつおーさま(新潟など)

      あんやと(石川)

      きのどくな(富山など)

      おーきに(大阪など)

      よーこそなー(鳥取など)

      ごねんにいりました(島根など)

      しあわせます(山口)

      だんだん(愛媛など)

      おーけにらんらん(大分)

      ちょーじょー(熊本)

      あいがともさげもした(鹿児島)

      にへーでーびる(沖縄)
    [ 2005/06/28 18:13 ] ことのは | CM(0)
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  • 早起きは三文の得?

    夏になるとなぜか5時ごろに目が覚める。今朝も早く目覚めたので、ゴミ出しがてら表に出た。お日様は建物の陰になってまだ見えない。玄関のステップに腰をおろし、新鮮な空気を吸って、草木のように朝の風景の一部になっていたら、なんとなく幸せな気持ちになった。
    「毎日が新しい一日」そんな言葉がふと浮かんだ。

    思えば、太古の時代から太陽も月も季節も、巡り巡るサイクルを延々と繰り返している。人間の営みもおなじ。だけど、本当はおなじ瞬間などひとつとしてないのだと思う。記憶はウソつきだ。美しい景色を見ても「こんなの何度も見たことあるよ」と、知ったかぶりをしてせっかくの感動を薄くするから。ひとの活動がはじまる前の早朝のひとときが好き。とりわけ日の出の時刻は、光のエネルギーに満ちたゴールデンタイムだと思う。去年みたいに妙心寺に散歩に行ってみようかな。
    [ 2005/06/27 17:00 ] 日記 | CM(0)
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  • これもシンクロ?

    今朝、近くで救急車のピーポーを聞いた。それとは関係なく、町内で誰か亡くなったら嫌だなぁとふと思った。しばらくしてピンポン♪ 会長さんの奥さんが訃報のお知らせに来られた。一軒ずつ連絡に回ったあと、お通夜だけ出席しておけばいいやと、下駄箱の掃除をしていたら、会長さんの訪問あり、弔問客の受け付けを頼まれた。副会長さんも会計さんも都合がつかないらしい。なんか予感はしていたが(^^; お葬式とか法事ってほんとに苦手なのよねー(^^;
    しゃーない。受け付けにすわってるあいだ幽体離脱しとこ(笑)

    今日も暑いので、ミッキーさんをシャンプー。
    私も早めにお風呂にはいってカラスに変身だ(笑)
    [ 2005/06/26 15:25 ] 日記 | CM(0)
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  • 暑いなー(-。-;)

    今日も一日暑かった。たまたま見つけたエハン・デラヴィ氏のウェブラジオで、地球温暖化の本当の原因は太陽だと言っていた。太陽の光によって、脳内の松果体が刺激され、DNAが変化するんだとかどうとかこうとか、相変わらず語り口がおもしろく、聴衆を飽きさせないトークは健在。
    いきなりエハン氏の口から「天照らす」だの「ありがとうございます」だのという言葉が出てきたのには、びっくりしたが、やっぱり太陽には意識進化の秘密が隠されているに違いない。私もそんなこととは知らずに、毎朝の太陽礼拝以外にも、一日に何度も太陽を見ているなー。
    光もんが好きなだけかもね(笑)
    [ 2005/06/25 18:57 ] satorix | CM(0)
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  • 魔法

              あるひ ぼくは
              いっぴきの ねこと
              ともだちになった

              そのときから ねこは
              ぼくの とくべつの
              ねこになって
              ぼくは ねこの
              とくべつの
              にんげんになった

              あるひ ぼくが
              いっぽんの きを
              すきになった
              そのひから
              きは ぼくの
              とくべつの
              きになって

              ぼくは きの
              とくべつの
              にんげんになった

              ひとつとして
              おなじものはない
              いのちのいとを
              むすぶ
              ふしぎなまほう

              きがついたら
              きみのこと
              わすれられなく
              なっていた

              ぼく


    [ 2005/06/23 13:11 ] | CM(0)
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