『めぐり会い』との再会

岸田るり子さんという京都生まれの推理小説家がいる。
ストーリーもだが、京都が舞台になっているので別の意味でも楽しめる。
広沢の池が出てくる『Fの悲劇』を読んだのがきっかけで他の作品も読むようになった。


先日、図書館で予約していた本を借りに行ったら表紙に見覚えがあった。
1ページ目でそれとわかった。前に読んだことのある本だった。


パソコンで図書検索したときは、同じ作者の本だとは思いもしなかった。
幸いにも?ストーリーは忘れているのでもう一度読んでみることにした。
ところどころ記憶はあるが細部までは覚えていないのでおもしろかった。


知らずに再会した本だったが、よほど縁があるのだろうか。
以前、ブログでも紹介していた。その名も『めぐり会い』と言う。


魂の片割れとの出会いをテーマにしたロマンチックなストーリーだが、
今回はロマンチックとは関係ないところで共鳴する文章を見つけた。


家族との関係で心にトラウマを持ち、人生に挫折した主人公の青年が、
琵琶湖のほとりで夕日が沈むのを眺めている場面での独白である。



僕は沈んでいく太陽を見るのが好きだ。
光の恩恵を受けて輪郭を明らかにしていたものが少しずつ不確かなものになっていき、
最後に闇の中へ消えていく。


そうなるまでの中間の時間、すべてのものが闇と混同するほんのつかの間、
不思議な錯覚を起こすことがある。


個という重くてやっかいな荷物をおろして、自分も闇の中にとけ込んでしまえるような錯覚。


ある意味、僕にとって安らぎの時間でもあった。
それほど、僕は僕自身の存在をもてあましていた。


人生で本当に重いのは、自分自身を背負って生きていくことだ。


日没は、そんな重い荷物から一時、僕を解放してくれる。





人生で本当に重いのは、自分自身を背負って生きていくことだ。


「自分が重い」という感覚に共感しました。
白猫も沈んでゆく夕日を見るのが好きです。
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[ 2014/02/12 22:13 ] 読書 | CM(0)
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