猫にかまけて

図書館でなにげなく手にとって見た本のなかの猫と目が合った。
思わず吹き出しそうになった。本のなかの猫が笑っていた。


ゲンゾー


作家の町田康さんの猫本だ。飼い猫とのエピソードがおもしろおかしく綴られている。
読みながらゲラゲラ笑ってしまった。笑ったのはひさしぶりだ。


このところ「人生を終わりにしたい」というような厭世的な気分になっていたのだが、
これを読んで少し元気をとりもどした。ゲンゾーくん、ありがとう。


おもしろいだけでなく、飼い猫さんが亡くなる場面もあり、かなしくなって泣いた。
22年生きた飼い猫さんの最期のようすがミッキーさんの時と似ていてまた泣いた。


二十二歳というのは猫としては長寿でみな、長生きできてよかった、と言ってくれる。
自分らはもっと生きていて欲しかったと思うが、それは未練な話で、ココアは精一杯、頑張ったのだろう。
しかしもっとも辛いのはココアがいなくなっても普通の日々が続いているということだ。
今日も部屋に日が差し込んで、新聞が届けられ、私は仕事に出掛ける。
ココアがいなくなってもココアがいたときと同じように毎日が続いていく。
そのことがもっとも悲しく、切なく、私はその耐えがたい気持ちを歌にしてしまおうと考え、
何度かやってみたがいまだ歌はできない。
切ない気持ちが心の中に蟠(わだかま)っている。日々が続いている。



町田さんの気持ちがよくわかる。大切なひとをなくした人にとっても共通の思いだろう。
なくした命の数だけ、かなしみを心に抱きながら、人は生きていかなくてはならない。
生きるとは切ないものである。


町田さんの猫本は棚に全部で4冊あった。この『猫にかまけて』は初版が2004年となっている。
『猫とあほんだら』と、どっちにしようか迷ったが、写真の笑顔に負けてこちらに決めた。
よかったので他のも借りて読んでみようと思う。
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[ 2015/06/04 06:39 ] | CM(2)
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  • お役目

    ごくろうさまです。
    わたしは父母も猫も見送ったのでもう終わってもいいと思ってますが、
    それを言っちゃあおしまいなので死ぬまで生きるしかありません。
    死ぬまで生きるしかない。亡き母がいつも言ってた言葉です。
    [ 2015/06/04 07:45 ] [ 編集 ]

    おはようございます^ ^

    私個人としてはもう人生終わりにしてもいいかと思ったりしますが、
    私が急にいなくなると犬猫が路頭に迷うし、何より今は父母を見送るという大役があるので、それが終わるまでは、死なせてもらえないのだと思っています。
    全てを見送った後、どんな気持ちになるのかは、想像できませんが、
    取り敢えず今生かしてもらっているのは、ありがたいことです。
    [ 2015/06/04 06:37 ] [ 編集 ]

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