ネコが合わない夫婦

あの人とはウマが合わないなどとよく言われるが、ウチの夫婦はネコが合わない。
動物にたとえるとネコとイノシシのようである。歩くペースからしてまるでちがう。
いっしょにでかけると、イノシシが猪突猛進、どんどん先に行ってしまうので、
のんびり歩きのネコはついていけず、はぐれてしまうこともしばしばである。


話も合わない。相方は寡黙で人と話すよりテレビやパソコンを見ているほうが好きらしい。
相手に話を合わすことをしないので会話もはずまず、話しかけても返事がないこともある。
それならばと話しかけずにだまっていると、相方から話しかけてくることはまずない。
おもしろくはないが慣れたら別にどうと言うこともない。


性格も違う。イノシシはふだんはおとなしいが怒るとこわい。油断してると一撃をくらう。
ネコも負けてはいない。ネコパンチで反撃すると、形勢不利と見なしたイノシシは、
石のようにだまりこんでしまうので、こうなったらネコは自爆するしかない。
ちなみに一撃、反撃は暴力ではなく、言葉上のやりとりなのでケガはない。


最近は剣呑なムードになるのを避けて、話があるときはメールに書いて送っている。
返事はないが用件は伝わっているようなので特に不便はない。


いっしょにでかけるのをやめて、イノシシは山登りに行ったり、ネコは写真散歩にでかけたり、
それぞれに好きなことをして楽しんでいる。気楽と言えば気楽である。


出先で楽しそうに話をしている夫婦を見ると、いいなあと思うこともたまにはあるが、
ヨソの芝生は青く見えるだけかもしれない。ネコはネコ、イノシシはイノシシ。
合わないなりにウマく、つきあっていくしかあるまい。


民主主義とは「意見が通らなかった少数派が、それでも、『ありがとう』ということのできるシステムだ。
意見の違う他人と、それでも「一緒にやってゆくことだ」。作家の髙橋源一郎さんの言葉だそうだ。


家庭にも民主主義はあるのだろうか。
願わくば、人生の最後に、お互い「ありがとう」と言える関係でありたい。
関連記事
[ 2015/06/05 06:26 ] つれづれ | CM(4)
  • EDIT 


  • 猫にかまけて

    おもしろくてあっというまに読んでしまいました。
    いま3冊目読んでます。笑

    猫の病気や亡くなる場面は何度読んでも泣けてきます。
    町田康さんって芥川賞もとられてるんですね。
    写真は10年以上前の写真だから、いまはいいオッサン(失礼(^^ゞ)
    になられてるはずですが、小説のほかに詩や歌までものされるようで、
    才能があってうらやましいです。
    [ 2015/06/05 15:50 ] [ 編集 ]

    一人で暮らしておりますと、気楽なんですが、仲の良いご夫婦をみかけると、いいなと思いますね。
    どうぞ、イノシシさんをお大事に^ ^

    図書館で探したら、「猫にかまけて」があったので、早速借りてきました。「ココアとゲンゾー」が、まるでうちの猫たちの関係とそっくりで、笑いました。そして、ココアの最期では、「そう遠くない未来に訪れる我が家での出来事」とリンクして、泣けました。
    ところで町田氏。
    本の最初の方の、「猫は顔に毛が生えているからかわいい」のくだりを読んで、「むくつけきお顔の怖そうなおじさん」を想像していたのですが、
    文中のお写真を拝見したら、すっきりとしたなかなかのイケメンさんで、驚きました(≧▽≦)
    [ 2015/06/05 15:01 ] [ 編集 ]

    おまえ100までわしゃ99まで

    ポパイさんと手をとり合ってこれからも
    末永くなかよくお暮らしくださいませ^^
    [ 2015/06/05 12:57 ] [ 編集 ]

    「ありがとう」

    『人生の最後に、お互い「ありがとう」と言える関係でありたい。』
    しろねこさんの文章を読みながら・・フンフン我が家もそうである!と
    うなずきながら拝見させてもらいました。
    どちらが先か判りませんが「あなたと過ごせてありがとう」とつぶやく
    事できるかな??私?
    [ 2015/06/05 10:02 ] [ 編集 ]

    コメントの投稿













    管理者にだけ表示を許可する

    トラックバック

    この記事のトラックバックURL
    http://shironekoan.blog92.fc2.com/tb.php/3632-3914ea29